出産を控え、「さい帯血」の保管を勧められたけれど、本当に必要なのか迷っていませんか?「高額な費用をかけて保管しても、使わなかったら…」と不安に思うのは当然です。この記事では、さい帯血を保管すべきか悩むママ・パパのために、先輩ママのリアルな体験談から、保管してよかったこと、しなかった後悔の声までご紹介します。結論として、さい帯血保管は「万が一の備え」として大きな安心感を得られる一方で、費用などのデメリットも存在します。そこで、後悔しない選択ができるよう、さい帯血の基礎知識から公的・民間バンクの違い、信頼できるバンクの選び方まで、専門的な情報をわかりやすく解説します。
【先輩ママの体験談】さい帯血を保管してよかったこと
「さい帯血保管」について、費用や手続きのことで悩んでいるプレママも多いのではないでしょうか。ここでは、実際にさい帯血を保管した先輩ママたちのリアルな声をお届けします。高価な「お守り」とも言われるさい帯血保管ですが、その価値はどこにあるのでしょうか。体験談を通して、あなた自身の決断のヒントを見つけてみてください。
万が一の備えで得られた心の安心
第一子の妊娠中、初めて「さい帯血」の存在を知ったAさん(34歳)。最初は「本当に使う日が来るのかな?」と半信半疑だったと言います。
「夫と何度も話し合いました。決して安い金額ではないので、正直かなり悩みました。でも、もし将来、子どもが白血病や再生不良性貧血といった重い病気にかかってしまったら…と考えたとき、治療の選択肢を一つでも多く残してあげたいと強く思ったんです。最終的には『使わないことが一番だけど、万が一のためのお守りとして保管しよう』と決断しました。」
Aさんのお子さんは今、元気に小学校へ通っています。さい帯血を使う機会はまだありません。しかし、Aさんは「保管して本当によかった」と心から感じているそうです。
「子どもの健やかな成長を見るたびに、この子の未来に備えることができた、という事実が大きな安心感につながっています。出産の時しかチャンスがない特別なものだからこそ、あの時の決断は間違っていなかったと確信しています。さい帯血保管は、単なる医療への備えだけでなく、日々の育児を支えてくれる『心の保険』-mark>になりました。」
家族で再生医療の可能性を考えるきっかけに
二人目の出産を控えていたBさん(38歳)は、一人目の時には検討しなかったさい帯血保管を、二人目では迷わず選択しました。
「一人目の時は、さい帯血の知識がほとんどありませんでした。でも、数年の間に再生医療の研究が大きく進歩していることをニュースで知り、考え方が変わりました。今はまだ治療法が確立されていない病気やケガでも、この子が大人になる頃には、さい帯血を使った治療が当たり前になっているかもしれない。そう思ったら、未来への可能性を閉ざしたくないと感じたんです。」
Bさんにとって、さい帯血保管の検討は、家族の健康や未来について深く考える良い機会になったと言います。
「さい帯血に含まれる『幹細胞』が、脳性まひや脊髄損傷、さらには自閉症スペクトラムなどの治療研究にも使われていると知って、夫も驚いていました。保管をきっかけに、家族の健康について話し合う時間が増え、将来のリスクにどう備えるかという意識も高まりました。親として、子どものために今できる最善の準備をしてあげられたという事実は、大きな自信-mark>になっています。」
保管しなかったママの後悔の声
一方で、さい帯血を保管しなかったことを後悔しているママの声も少なくありません。どのような点に後悔を感じているのでしょうか。ここでは、代表的な意見をまとめました。
| 後悔の理由 | 先輩ママの声(要約) |
|---|---|
| 情報収集が不十分だった | 「妊娠・出産時は目の前のことで精一杯。さい帯血について詳しく調べる余裕がなく、重要性を理解しないまま見送ってしまいました。出産という一度きりのチャンスを逃してしまった-mark>ことが悔やまれます。」 |
| 費用面で諦めてしまった | 「『高額なもの』というイメージだけで、最初から諦めていました。でも後から、分割払いや兄弟での割引プランがあることを知り、もっと真剣に資金計画を立てればよかった-mark>と感じています。」 |
| 「自分には関係ない」と思っていた | 「『うちは家族に病気の人はいないし、きっと大丈夫』と楽観的に考えていました。しかし、子どもが成長するにつれ、予期せぬケガやアレルギーなど、健康上の心配事は尽きません。将来のあらゆる可能性に備えておくべきだった-mark>と反省しています。」 |
これらの声からわかるのは、「あの時、もっと真剣に検討しておけばよかった」という共通の思いです。後悔しない選択をするためには、妊娠中にしっかりと情報を集め、家族で話し合う時間を持つことが何よりも大切だと言えるでしょう。
そもそも「さい帯」「さい帯血」とは?
「さい帯血保管」という言葉は聞いたことがあっても、「さい帯」や「さい帯血」が具体的にどのようなものか、正確に理解している方は少ないかもしれません。さい帯血保管を検討する第一歩として、まずはこれらの基本的な知識を深めていきましょう。
赤ちゃんとママをつなぐ「さい帯(へその緒)」の役割
「さい帯(さいたい)」とは、妊娠中にお母さんの胎盤と赤ちゃんのおへそをつないでいる管状の組織のことで、一般的には「へその緒」として知られています。この半透明の管は、赤ちゃんがママのお腹の中で健やかに成長するための、まさに「命綱」ともいえる重要な役割を担っています。
さい帯の内部には「さい帯動脈」が2本、「さい帯静脈」が1本通っており、それぞれが大切な役割を果たしています。
| 血管の種類 | 主な役割 |
|---|---|
| さい帯静脈(1本) | お母さんの胎盤から、酸素や栄養素を豊富に含んだ血液を赤ちゃんに送る。 |
| さい帯動脈(2本) | 赤ちゃん側の血液から、二酸化炭素や老廃物をお母さんの胎盤へ送り返す。 |
このように、さい帯は妊娠期間中、絶えず血液を循環させることで赤ちゃんの生命を維持しています。そして、赤ちゃんが生まれると同時にその役目を終え、切断されます。この時に採取できるのが、次にご紹介する「さい帯血」です。
さい帯血に含まれる再生医療の切り札「幹細胞」
「さい帯血」とは、出産後に赤ちゃんと胎盤をつないでいた「さい帯(へその緒)」と胎盤の中に残っている赤ちゃんの血液のことです。かつては出産後に廃棄されていましたが、現在ではその価値が大きく見直されています。
その理由は、さい帯血に「幹細胞(かんさいぼう)」と呼ばれる、体のあらゆる細胞の“もと”になる細胞が豊富に含まれているからです。幹細胞は、自分とまったく同じ能力を持った細胞に分裂できる「自己複製能」と、体のさまざまな細胞に変化できる「多分化能」という2つの大きな特徴を持っています。
さい帯血には、特に再生医療で注目される以下の2種類の幹細胞が含まれています。
| 幹細胞の種類 | 特徴と期待される役割 |
|---|---|
| 造血幹細胞(ぞうけつかんさいぼう) | 赤血球、白血球、血小板といった血液の成分を作り出す細胞。白血病や再生不良性貧血など、血液の病気の治療(造血幹細胞移植)に利用されています。 |
| 間葉系幹細胞(かんようけいかんさいぼう) | 骨、軟骨、脂肪、筋肉、神経など、さまざまな組織の細胞に分化する能力を持つ細胞。脳性まひや脊髄損傷、自己免疫疾患など、これまで治療が難しかった病気への応用が期待され、世界中で研究が進められています。 |
さい帯血から採取できる幹細胞は、骨髄などから採取されるものに比べて非常に若く、増殖能力が高いのが特徴です。また、アレルギー反応や拒絶反応のリスクが低いというメリットもあり、まさに未来の医療を切り拓く可能性を秘めた貴重な資源として、その価値が世界的に認められています。
さい帯血を保管するメリットとデメリット
「さい帯血」の保管は、わが子の未来への大切な備えとなり得ますが、一方で費用などの現実的な課題も存在します。契約してから後悔しないためにも、メリットとデメリットの両方を正しく理解し、ご家庭の方針に合っているか冷静に判断することが重要です。ここでは、さい帯血保管を検討する上で知っておくべき光と影を詳しく解説します。
メリット 将来の病気や怪我の治療に活用できる可能性
さい帯血を保管する最大のメリットは、将来、赤ちゃん本人や家族が重い病気にかかった際の治療の選択肢になり得ることです。さい帯血には「造血幹細胞」という、血液の成分を作り出すもとになる細胞が豊富に含まれています。
この造血幹細胞を移植することで、白血病や再生不良性貧血といった血液の病気の治療が期待できます。特に、赤ちゃん本人のさい帯血を使う場合、遺伝情報が完全に一致するため、移植の際に問題となる拒絶反応が起こるリスクが極めて低いという大きな利点があります。
また、さい帯血は本人だけでなく、白血球の型(HLA)が一致すれば、兄弟姉妹の治療にも使用できる可能性があります。家族の中に血液疾患の患者さんがいる場合や、将来のリスクに備えたいと考えるご家庭にとって、さい帯血保管は心強いお守りとなるでしょう。
さらに近年では、脳性麻痺や自閉症スペクトラム、低酸素性虚血性脳症といった、これまで根本的な治療法がなかった病気に対する再生医療への応用研究が世界中で進められており、さい帯血の新たな可能性に大きな期待が寄せられています。
デメリット 保管費用と利用機会の不確実性
さい帯血保管のデメリットとして、まず挙げられるのが「費用」です。民間バンクでさい帯血を保管する場合、契約時に採取や検査、輸送のための初期費用として数十万円、さらにその後は年間数千円から数万円の保管費用が継続的にかかります。
もう一つの大きな側面が「利用機会の不確実性」です。さい帯血はあくまで万が一の備えであり、幸いにも生涯使う機会がないまま保管期間を終える可能性の方が高いのが実情です。「使わなかったら費用が無駄になってしまうのでは?」という懸念は、多くのご家庭が抱く正直な気持ちでしょう。
また、採取したさい帯血の細胞数が治療に必要な基準に満たなかったり、輸送中のトラブルや感染症などが原因で、いざという時に必ずしも使用できるとは限らないというリスクもゼロではありません。これらの費用や不確実性を十分に理解した上で、家計とのバランスを考えながら検討する必要があります。
知っておきたい さい帯血治療の現状と未来
メリットとデメリットを理解した上で、さい帯血を用いた治療が今どこまで進んでいて、将来どのような可能性を秘めているのか、現状と未来の展望を正しく知っておきましょう。
現在、さい帯血移植が健康保険適用の標準治療として確立されているのは、主に血液を作り出す能力に異常が起きる病気です。一方で、再生医療の分野では、損傷した組織や機能の修復を目指す研究が世界中で活発に行われています。
以下の表で、さい帯血治療の「現状」と「未来への期待」を整理してみましょう。
| 区分 | 対象となる疾患や状態の例 |
|---|---|
| 現状(確立された治療) | 白血病、再生不良性貧血、先天性免疫不全症候群など、主に血液に関する難治性の病気。公的さい帯血バンクのさい帯血を用いた移植が中心。 |
| 未来(研究が進む分野) | 脳性麻痺、低酸素性虚血性脳症、自閉症スペクトラム、脊髄損傷、若年性糖尿病、心疾患など。損傷した神経や臓器の機能回復を目指す再生医療・細胞治療としての応用。 |
このように、さい帯血はすでに多くの命を救う実績のある治療法であると同時に、未来の医療を大きく変える可能性を秘めた貴重な資源でもあります。ただし、研究段階の治療がいつ実用化されるかはまだ不透明です。現在の確実な治療法と、未来への可能性の両方を天秤にかけ、ご家庭にとってさい帯血保管がどのような価値を持つのかをじっくりと話し合うことが大切です。
後悔しない「さい帯」バンクの選び方
「さい帯血」の保管を決めたら、次に重要になるのがどこのバンクに預けるかという「さい帯血バンク選び」です。さい帯血は、一度しか採取できない、赤ちゃんからの大切な贈り物。だからこそ、長期間にわたって安心して預けられる、信頼できるバンクを選ぶ必要があります。
さい帯血バンクには、大きく分けて「公的さい帯血バンク」と「民間さい帯血バンク」の2種類が存在します。それぞれの目的や特徴が大きく異なるため、まずはその違いを正しく理解することから始めましょう。
公的バンクと民間バンクの違いを徹底比較
公的バンクと民間バンクの最も大きな違いは、その目的にあります。公的バンクは「第三者のための寄付」、民間バンクは「赤ちゃん自身や家族のための保管」を目的としています。どちらが良い・悪いということではなく、ご自身の考え方や目的に合った方を選ぶことが大切です。以下の比較表で、具体的な違いを確認してみましょう。
| 項目 | 公的さい帯血バンク | 民間さい帯血バンク |
|---|---|---|
| 目的 | 第三者への寄付(社会貢献) | 赤ちゃん本人や家族のため |
| 所有権 | バンクに帰属 | 契約者(本人・家族) |
| 利用対象者 | さい帯血を必要とする不特定の患者 | 赤ちゃん本人、またはその家族 |
| 費用 | 無料 | 有料(初期費用+保管費用) |
| 保管基準 | 国の定めた厳しい基準(量や細胞数)を満たした場合のみ保管。基準に満たない場合は研究用、または破棄される。 | 各バンクの基準に沿って保管。多くの場合、採取できれば保管可能。 |
| 主な利用実績 | 白血病などの血液疾患治療 | 脳性まひなどの再生医療・細胞治療 |
寄付が目的の「公的さい帯血バンク」
公的さい帯血バンクは、白血病などの難病に苦しむ患者さんを救うための、善意の「寄付」を目的としています。採取や保管にかかる費用は一切ありません。提供されたさい帯血は、広く患者さんのために役立てられるため、大きな社会貢献につながります。
ただし、寄付であるため、将来赤ちゃん自身や家族が病気になった際に、そのさい帯血を使うことはできません。また、国が定めた厳しい保管基準があり、採取できたさい帯血の量や細胞数が基準に満たない場合は、患者さんの治療には使われず、研究用に利用されたり、同意の上で破棄されたりすることがあります。
赤ちゃん自身や家族のために保管する「民間さい帯血バンク」
民間さい帯血バンクは、将来、赤ちゃん自身やご家族が病気やケガをした際の治療に備えることを目的とした「私的保管」サービスです。保管には費用がかかりますが、さい帯血の所有権は契約者にあるため、必要な時に自分たちのために利用できるという大きなメリットがあります。
近年、脳性まひや自閉症スペクトラムなど、これまで有効な治療法が少なかった疾患に対するさい帯血を用いた再生医療の研究が世界中で進んでおり、民間バンクに保管されたさい帯血が活用されるケースも増えています。未来の医療の可能性に備えたいと考えるご家庭に選ばれています。
民間バンクを選ぶときの5つのチェックポイント
「赤ちゃんや家族のために保管したい」と民間バンクを選んだ場合、次にどの会社を選ぶかというステップに進みます。大切なお子様のさい帯血を10年、20年と長期にわたって預けることになるため、企業の信頼性や安全性を慎重に見極める必要があります。後悔しないために、最低でも以下の5つのポイントは必ずチェックしましょう。
保管施設の信頼性と安全性
最も重要なのが、さい帯血を保管する施設の信頼性と安全性です。細胞は非常にデリケートなため、徹底した品質管理が求められます。
- 温度管理体制:マイナス196℃の液体窒素で保管されます。停電時にも安定して温度を維持できる自動供給システムやバックアップ電源が完備されているか確認しましょう。
- 衛生管理:細胞を処理・保管する施設(セルプロセッシングセンター)が、厳格な衛生基準を満たしているか。
- 災害対策:地震や火災、水害などの自然災害に備え、耐震性の高い建物や免震構造が採用されているか。
- セキュリティ:部外者の侵入を防ぐ厳重な入退室管理や24時間監視システムなど、セキュリティ対策が万全か。
これらの情報は、各バンクの公式サイトやパンフレットで公開されています。施設の写真や具体的な設備名が明記されているかどうかも、信頼性を測る一つの指標になります。
保管実績と研究開発力
企業の安定性や技術力を示すのが、これまでの保管実績と研究開発への取り組みです。
- 国内シェアと保管件数:長年にわたる豊富な保管実績は、多くのご家庭から選ばれてきた信頼の証です。国内でのシェアや累計保管件数を確認しましょう。
- 歴史と継続性:創業からどのくらいの期間、事業を継続しているかも重要です。長期保管が前提のため、企業の安定性は欠かせません。
- 研究開発への姿勢:大学や医療機関と連携し、さい帯血を用いた再生医療の研究開発に積極的に取り組んでいるか。ただ保管するだけでなく、未来の医療に貢献しようとする姿勢がある企業は、技術力や将来性も高いと考えられます。
契約内容と費用体系の透明性
高額な費用がかかるからこそ、契約内容と料金体系の透明性は非常に重要です。後から「知らなかった」ということがないように、細部まで確認しましょう。
- 総費用の内訳:初期費用(申込金、採取費用、検査費用など)と、その後の保管料(年払い、10年一括など)が明確に提示されているか。
- 追加料金の有無:深夜や休日の出産、遠隔地への輸送などで追加料金が発生しないか。
- 支払い方法:現金一括払いのほか、分割払いやクレジットカード払いに対応しているか。
- 万が一の際の返金規定:さい帯血が採取できなかった場合や、検査の結果保管基準に満たなかった場合に、支払った費用がどうなるのかを事前に確認しておくことが大切です。
複数のバンクから資料を取り寄せ、総額費用とサービス内容を比較検討することを強くおすすめします。
出産時のサポート体制
出産は何が起こるかわかりません。緊急時や深夜の出産でも、安心してさい帯血の採取を任せられるサポート体制が整っているかを確認しましょう。
- 24時間対応:土日祝日や深夜を問わず、365日24時間対応のコールセンターがあるか。
- 全国の産院との連携:全国の多くの産科医療機関と提携しているか。提携医療機関であれば、医師や助産師がさい帯血の採取に慣れているため、スムーズに進む可能性が高まります。
- 採取キットの分かりやすさ:実際にさい帯血を採取するのは医師や助産師です。誰が見ても分かりやすく、間違いなく採取できるようなキットになっているかどうかも、間接的に重要となります。
急な帝王切開や里帰り出産にも柔軟に対応してくれるかなど、ご自身の出産プランに合わせたサポートが受けられるかどうかも確認しておくと安心です。
万が一の際の補償と将来性
長期契約だからこそ、不測の事態への備えと、企業の将来性も見ておくべきポイントです。
- 補償制度:輸送中の事故や、火災・地震などで保管施設が損壊し、さい帯血が使えなくなってしまった場合の補償制度が設けられているか。契約時に補償内容をしっかり確認しましょう。
- 事業の将来性:さい帯血保管だけでなく、さい帯(へその緒そのもの)の保管など、関連する新たなサービスを展開しているか。再生医療の発展を見据えた事業展開をしている企業は、将来にわたって安定したサービスを提供してくれる可能性が高いと言えます。
これらのポイントを総合的に比較・検討し、ご自身とご家族が心から納得できるさい帯血バンクを選んでください。
主要な民間さい帯血バンク2社を比較
民間さい帯血バンクを選ぶにあたり、どの会社にすれば良いか迷う方も多いでしょう。国内には複数の民間バンクが存在しますが、ここでは特に多くのパパママに選ばれている代表的な2社、「ステムセル研究所」と「ときわメディックス」の特徴を比較してご紹介します。それぞれの強みやサービス内容を理解し、ご自身の希望に合ったバンク選びの参考にしてください。
国内シェアトップクラス「ステムセル研究所」
株式会社ステムセル研究所は、国内のさい帯血保管におけるシェアNo.1を誇る、実績と信頼性が最大の強みです。1999年の設立以来、長年にわたりさい帯血保管事業を手がけており、その保管実績は7万件を超えています。全国の大学病院や研究機関との共同研究も積極的に行っており、再生医療分野への貢献度も高い企業です。
また、全国47都道府県、ほぼ全ての分娩施設と提携しているため、里帰り出産など、どこで出産する場合でも安心してさい帯血の採取を依頼できるのが大きな魅力です。保管施設は国内に設置され、震度7クラスの地震にも耐えうる設計と24時間体制の厳重なセキュリティで、大切なさい帯血を長期間安全に守ります。
独自の保管技術を持つ「ときわメディックス」
株式会社ときわメディックスは、医薬品や健康食品の原料メーカーである常磐植物化学研究所を母体とするさい帯血バンクです。医薬品開発で培われたノウハウを活かした品質管理体制が特徴で、米国最大級のさい帯血バンク「CBR(Cord Blood Registry)」と技術提携を結んでいます。
これにより、世界標準の品質でさい帯血を処理・保管できる「CBRシステム」を国内で唯一導入しています。このシステムは、より多くの幹細胞を回収できる可能性があるとされており、将来の治療に用いる際の品質を重視する方から高く評価されています。運営母体の信頼性と、独自の高い技術力が「ときわメディックス」を選ぶ大きなポイントと言えるでしょう。
| 比較項目 | ステムセル研究所 | ときわメディックス |
|---|---|---|
| 運営会社 | 株式会社ステムセル研究所 | 株式会社ときわメディックス |
| 保管実績 | 7万件以上(国内シェアNo.1) | – (米国CBRでは100万件以上の実績) |
| 保管施設 | 国内(神奈川県) | 国内(茨城県) |
| 提携医療機関数 | 全国ほぼ全ての分娩施設 | 全国約1,000施設 |
| 技術・品質 | 国内トップクラスの実績とノウハウ | 米国CBRと提携した世界標準の技術 |
| 費用(目安) | 初期費用:約20万円台 保管費用:10年ごとに約5万円台 | 初期費用:約20万円台 保管費用:10年ごとに約6万円台 |
| 特徴 | 圧倒的な国内実績と全国を網羅する提携ネットワークによる安心感。 | 医薬品原料メーカーが母体の信頼性と、独自の分離・保管技術「CBRシステム」。 |
※費用はプランや支払い方法によって異なります。必ず公式サイトで最新の情報をご確認ください。
このように、2社にはそれぞれ異なる強みがあります。「実績と安心感を最優先したい」という方にはステムセル研究所が、「世界標準の最新技術で保管したい」という方にはときわメディックスが有力な選択肢となるでしょう。どちらのバンクも資料請求は無料で行えますので、まずは両方の資料を取り寄せ、契約内容やサポート体制をじっくり比較検討することをおすすめします。
さい帯血保管の申し込みから出産当日までの流れ
「さい帯血の保管に興味があるけれど、手続きが複雑そう…」「いつまでに申し込めばいいの?」そんな疑問や不安をお持ちの方も多いのではないでしょうか。さい帯血の保管は、妊娠中から計画的に準備を進めることが大切です。ここでは、資料請求から出産当日、そして保管開始までの具体的な流れを4つのステップに分けて詳しく解説します。いざという時に慌てないよう、全体の流れを把握しておきましょう。
STEP1 資料請求とプランの検討
さい帯血保管を考え始めたら、まずは民間バンクの資料請求からスタートしましょう。多くのバンクでは、妊娠がわかった時点から資料請求が可能です。本格的な検討は、つわりが落ち着き、体調が安定してくる妊娠中期(5ヶ月~7ヶ月頃)に始めるのがおすすめです。
資料が届いたら、以下のポイントを中心に、ご自身の希望に合うプランがあるかを確認し、パートナーやご家族としっかり話し合いましょう。
- 保管プランの種類と内容(保管期間、対象者など)
- 費用(契約金、保管料)と支払い方法(一括、分割など)
- 契約後のサポート体制
- 保管施設の信頼性や実績
複数のバンクから資料を取り寄せ、サービス内容や費用を比較検討することで、ご家庭に最適な選択がしやすくなります。
STEP2 契約と採血キットの受け取り
保管を依頼する民間バンクとプランが決まったら、契約手続きに進みます。申し込みは、各バンクの公式サイトや郵送で行うのが一般的です。ここで最も注意したいのが申し込みの期限です。多くのバンクでは、出産予定日の2週間~1ヶ月前、具体的には妊娠34週~36週頃を最終期限としています。期限を過ぎると受け付けてもらえない可能性があるため、余裕を持った申し込みを心がけましょう。
契約と支払いが完了すると、さい帯血を採取・輸送するための専用の「採血キット」が自宅に届きます。キットが届いたら、中身が揃っているかを確認し、出産まで大切に保管してください。このキットは出産時に病院へ持参する必要があるため、入院バッグの中など、忘れない場所に準備しておくことが重要です。
STEP3 出産時のさい帯血採取
いよいよ出産当日。さい帯血の採取は、ここまでの準備が実を結ぶ大切な瞬間です。スムーズに進めるために、事前に産院へさい帯血保管の意思を伝え、協力可能かを確認しておきましょう。
出産当日の採取の流れは以下の通りです。
| タイミング | 誰が | 何をするか |
|---|---|---|
| 産院に到着後、入院手続きの際 | ママ本人またはご家族 | 助産師や医師に「さい帯血を保管します」と伝え、採血キットを渡します。 |
| 赤ちゃんが生まれた直後 | 医師または助産師 | へその緒を切り離した後、さい帯(へその緒)と胎盤に残った血液(さい帯血)を採血キットで採取します。 |
さい帯血の採取は、赤ちゃんが生まれた後に行われ、母子ともに痛みや危険は一切ありません。採取にかかる時間もわずか数分です。ただし、出産の状況(緊急帝王切開など)によっては、安全が最優先され、採取ができない場合もあります。多くのバンクでは、採取できなかった場合は契約費用が返金される規定になっていますので、契約時に確認しておくと安心です。
STEP4 バンクへの輸送と保管開始
無事にさい帯血が採取できたら、最後のステップはバンクへの輸送です。さい帯血は温度変化にデリケートなため、迅速かつ適切に輸送する必要があります。
採取後から保管開始までの流れは以下の通りです。
| タイミング | 誰が | 何をするか |
|---|---|---|
| さい帯血の採取後、速やかに | パパなどご家族 | 民間バンクの専用コールセンターに電話し、採取が完了したことを連絡します。 |
| 連絡後、指定された時間 | バンクが手配した専門の輸送業者 | 産院まで採血キットを回収に来ます。回収までは、キットを適切な温度で保管します。 |
| バンクに到着後 | バンクのスタッフ | さい帯血が保管に適しているか検査を行い、幹細胞を分離する処理を施した後、マイナス196℃の液体窒素タンクで凍結保管を開始します。 |
保管が開始されると、後日バンクから「保管証」などの証明書が送られてきます。これで、大切な赤ちゃんのさい帯血が無事に保管されたことになります。この証明書は、将来さい帯血を利用する際に必要となる大切な書類ですので、厳重に保管しておきましょう。
まとめ
さい帯血の保管は、出産時にしかできない一度きりの貴重な選択です。再生医療の分野で注目される幹細胞を含むさい帯血は、将来のお子さんや家族を万が一の病気や怪我から守る「未来への備え」となり得ます。保管費用というデメリットはありますが、それ以上に「安心」という大きなメリットを感じるご家庭は少なくありません。
後悔しないためには、まず公的バンクと民間バンクの違いを正しく理解することが重要です。その上で民間バンクを選ぶのであれば、本記事で解説した「保管施設の信頼性」「実績」「費用体系の透明性」などのポイントを参考に、ステムセル研究所やときわメディックスといった複数のバンクを比較検討しましょう。まずは資料請求から始め、ご家族でじっくりと話し合い、納得のいく決断をしてください。
